顔面神経麻痺 

中国上海の暖かい所でも以外と多い顔面神経麻痺の患者さんがおられました
以前(昭和60年)、上海中医学院に国際鍼灸の短期留学での事です 午前中は学術の講義を受けて、午後は海員病院に
臨床実技で中医に付いて診断から治療を学びました

風邪によるウイルスの罹患の場合は
抗生物質投与で併用しながら鍼のパルス通電で全体の経絡治療を併せて取り入れ効果をあげておりました
日本では冷えから来る事が多いといわれていましたが熱い35度の夏場に多いとなると?他の原因も考えられます

当時 幼児の患者さんで(6歳位)でした
中国針を顔面にうつわけですからで当然、痛くないとは言えやはり子供です ツンマ、ツンマ〜
中医はこの方達は日本から来た先生方だから泣いてはいけません!!----後で通訳に聞くと
でも子供は泣き止みません-----辛かったと思います

日本では顔面の鍼は極細くソフトに刺激しますから痛みはほとんど感じません
顔面の上斜筋と下眼窩点、オトガイ点の神経の出口に治療点をとります

診断の基準として
中枢性、抹消性に区別して治療をします
額にシワを寄せる事が出来ない場合は末梢性ですよ----以外でしょう?

中枢性の場合は
第7脳神経に異常が伝達されて起きますから回復の時間もかかります

末梢性の場合は
脳、脊髄神経が外部に出て顔面の伝わるところに異常が起きるので
回復が中枢性より早いですね 
最近どうも唾液の出方が足りないような気がする-----そんな場合は顔面マヒの治療をすると以外と改善されます

下の解剖図を見ると#36顔面神経が耳の後ろの首の付け根から出て顔面に運動神経として支配していますから
その運動神経が首の筋肉で圧迫されてマヒしますと末梢神経マヒになります

治療としては
最初に頸椎、胸椎の歪み、スライドから見てみます
耳後ろの後頸部の後斜角筋の緊張度合いを調べるとわかります
第7脳神経の出口から調べて項頚筋を弛緩させる治療になります

専門家の医学解説ですが脳内の解剖図です

顔面神経;第七脳神経 (Nervus facialis [VII])
 

by 船戸和弥、片山正輝氏から引用

第7脳神経は広義の顔面神経にあたり、狭義の顔面神経と中間神経とを合わせたもので、混合神経である。
その主部をなす狭義の顔面神経は運動神経で、起始核たる顔面神経核は延髄上部から橋背部にかけてあり、
これから出る神経は橋の後縁で脳を去り、内耳神経とともに内耳道に入り、その底で内耳神経と分かれ、
内耳神経と分かれ、顔面神経管孔を経て顔面神経管に入り、間もなく殆ど直角をなして後外側に曲がる。
この曲がるところは鼓室前庭窓の後上で顔面神経膝といい、ここに膝神経節がある。
ついで弓状に後下方へ走り、茎乳突孔を通って頭蓋底外面に出て耳下腺中に入り、耳下腺神経叢を作った後、
つぎつぎに多くの枝を出して広頸筋およびこれから分化したすべての浅頭筋(表情筋)、茎突舌骨筋、
顎二腹筋後腹、アブミ骨筋などに分布する。以上の運動神経線維とは別に、膝神経節中の神経細胞から出る
味覚神経線維が集まって、舌下腺および顎下腺に至る副交感性の分泌線維とともに中間神経を作り、
広義の顔面神経の一部をなす。
膝神経節細胞は偽単極性で、神経細胞より出る一条の突起はただちに分かれて、末梢および中枢の2枝となる。
中枢枝は顔面神経に密接しつつ内耳道を経て脳に入って孤束核に終わり、
末梢枝は、いわゆる上唾液核から出て舌下腺、顎下腺に至る副交感性の分泌腺にとともに
いわゆる鼓索神経を作り、途中で再び分泌線維と分かれて舌神経に入り、舌体に分布して味覚を司る。

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